2025.09.28

女性の社会進出が進んでいる一方で、起業家として活躍する女性の割合は依然として低い状況が続いています。
資金調達のハードルや育児との両立、ロールモデルの不足など、さまざまな要因が起業をためらわせる背景にあります。
近年は支援制度やネットワークの広がりが見られるものの、根本的な課題はまだ解消されていません。
この記事では、女性起業家が少ない現状とその原因、社会的な課題や対策、今後の展望について詳しく紹介します。

日本政策金融公庫の調査結果によると、日本国内の起業家のうち、「女性」の割合は 25.5%だそうです。
出典:日本政策金融公庫「「2024 年度新規開業実態調査」アンケート結果の概要」
女性起業家の人数は、男性起業家数の約3分の1であり、年々増加傾向にあるものの、依然、男性起業家が多数を占める構図が続いていることが分かります。
女性起業家が事業を選ぶ理由でもっとも多いのは「これまでの仕事で得た経験や技能を生かしたいから」で、女性起業家の約半数(41.9%)がこれを挙げています。
次いで「身につけた資格や知識を生かせるから」が20.3%、「地域や社会が必要としている事業だから」が17.5%と続きます。
女性起業家は、自分のキャリアやスキルを軸にしながらも、地域の役に立ちたい気持ちや自分の好きなことを形にしたい思いをより強く持つ傾向があります。
単に収益を追うだけではなく、生活や社会とのつながりを重視して事業を選ぶ姿勢も特徴です。
出典:日本政策金融公庫「女性による新規開業の特徴」

女性が起業を選びにくい背景には、複数の原因があります。
ここでは、女性起業家が少ない理由を5つ挙げ、現状の課題について説明します。
起業するとき「お金をどう集めるか」が一番の悩みになります。
多くの女性は、銀行や投資家からの融資や出資を受けることに抵抗を感じやすく、自己資金に頼るケースが目立ちます。
資金を得るための交渉や保証人手続きなど、慣れない手続きがハードルとなって足踏みしてしまう女性もいるでしょう。
ビジネスを始めるには、会計・マーケティング・販売戦略など「経営の仕組み」を押さえる必要があります。
しかし、これらを学ぶ機会が少なかったり、自信が持てなかったりする女性が多いのが現実です。
「売れるかどうか自信がない」「数字に弱いかもしれない」と感じて、一歩を先延ばしにしてしまうことがあります。
家事・育児・介護など、家庭での役割が多いと、起業に使える時間がどうしても限られてしまいます。
特に、ビジネスが軌道に乗るまでの不安定な時期に、仕事とプライベートのバランスをとることが大きな負荷になるでしょう。
「仕事を増やして家庭が回らなくなるかもしれない」と思うと、起業を始めづらくなります。
周りに「女性で起業して成功した人」が少ないと、「自分にもできるかな?」というイメージが湧きにくくなります。
メディアやニュースで紹介される起業家は男性が多く、女性起業家の姿が見えづらいため、挑戦へのハードルが高くなってしまうでしょう。
起業支援制度や講座、ネットワークイベントは増えていますが、地域や業界によってその情報が届きにくいケースがあります。
また、夜間やオンラインで参加できる支援は少なく、時間が制約される主婦にとって参加しにくい状況です。
「近場に相談できる人がいない」「どこで情報を探せばいいかわからない」と感じる女性が多いのも事実です。

近年は、自分らしい働き方を求めて起業を選ぶ女性が増えています。
しかし、男性と比べるとまだ数は少なく、収入や支援体制には独自の課題が存在します。
国の統計でも、女性起業家の平均年収は男性より低いことが明らかになっています。
一方で、国や自治体は女性向け起業支援策を強化しており、知識やネットワークを得やすい環境が広がりつつあります。
続いては、女性起業家をとりまく現状として、平均年収や支援制度を紹介します。
「令和6年国民生活基礎調査」によると、女性全体の平均年収は239.3万円で、そのうち自営業主の平均年収は240.1万円です。
男性の平均年収が全体で477.5万円、自営業主で350.9万円であることと比べると、女性起業家の年収は男性の約7割にとどまっています。
年齢別に見ると、30~39歳では231.5万円、40~49歳では345.2万円と上昇します。
女性起業家と男性起業家の年収差は、事業規模の小ささや育児・介護による就業時間の制約、資金調達や販路拡大の難しさなど、複数の要因が関係していると考えられます。
特に子育てや家事と両立しながら働く女性は、フルタイムで事業を広げにくく、安定した利益を得るまでに時間がかかることが多いです。
起業を目指す女性は、収入面の実情を理解しながら計画を立てることが大切です。
出典:令和6年国民生活基礎調査「有業者(15歳以上)1人当たり平均所得金額,勤めか自営かの別-勤め先での呼称・性・年齢(10歳階級)別」
経済産業省が運営する「わたしの起業応援団」は、女性の起業を支援することを目的としており、自治体・金融機関・大学・民間団体など250以上の機関が参加しています。
起業を目指す女性やすでに事業を始めている女性は、情報交換や相談を無料で受けられます。
具体的な支援内容は、以下の通りです。
地方在住でもオンラインで参加できるプログラムが増え、家庭と両立しながら起業準備を進める女性を後押ししています。
さらに地域独自の補助金や自治体主催の女性起業塾と連携し、事業立ち上げから販路拡大まで一貫して支援を受けられる体制が整ってきました。
年収格差や資金面のハードルを乗り越えるには、このような公的サポートを積極的に活用することが重要です。

女性が起業して成功するためには、自分の経験やスキルを生かせるだけでなく、市場の成長性や初期投資の大きさ、ライフスタイルとの両立など、複数の視点から職種を選ぶことが大切です。
続いては、実際に女性起業家が多く開業している7つの職種を紹介します。
美容業界は、女性起業家が特に多く参入する分野です。
ネイル、まつげエクステ、エステなど多彩なサービスがあり、小規模サロンなら100~300万円程度の開業資金で始められるでしょう。
リピーターを確保しやすく、安定した収益を見込める点が魅力です。
美容師免許やエステティシャン、ホワイトニングコーディネーターなどの資格を持っていれば信頼度が高まり、顧客単価を上げやすくなります。
近年はメンズ美容の需要も増えており、男女双方を対象にしたサービス展開で収益拡大を目指すケースも多いです。
コロナ禍以降もEC市場は拡大を続けています。
経済産業省「電子商取引実態調査」によれば、2024年の物販系分野の BtoC-EC 市場規模は、前年の 14 兆 6,760 億円から 5,434 億円増加し、15 兆 2,194 億円となりました。
ハンドメイド作品やオリジナルブランド商品の販売、輸入商品の販売など、在庫リスクを抑えたミニマム起業が可能です。
BASEやShopifyなど低コストで開業できるプラットフォームが普及し、SNSと組み合わせれば自宅から全国の顧客を獲得できるでしょう。
育児や副業と両立して成長させている事例も多く見られます。
教育分野は景気に左右されにくく、オンライン家庭教師や専門スキル講座の需要が伸びています。
オンライン塾講師として独立すれば、語学やプログラミング、資格対策、音楽・美術など多様なジャンルで活躍できるでしょう。
ZoomやGoogle Meetを利用すれば初期費用を教材準備と広告宣伝費に抑えられ、育児や家事との両立もしやすい働き方です。
共働き世帯の増加により家事・育児代行の需要は安定しています。
厚生労働省「2024年(令和6年)労働力調査」によると、共働き世帯は1980年の約2倍に増加しており、子育て世代を中心に外部サービス利用が拡大しています。
家事・育児代行サービスは、掃除や買い物代行から産後ケア、ベビーシッターなど対応範囲が幅広く、地域密着型としてリピーターを確保しやすいのが特徴です。
保育士資格や整理収納アドバイザー資格があると集客力が高まり、自治体の家事支援補助金を活用できる場合もあります。
飲食業は、女性が起業する際に人気が高い分野の一つです。
カフェやベーカリー、スイーツ専門店などは小規模から始めやすく、家庭で培ったレシピや調理の工夫をそのまま事業に活かせます。
特に、少人数で運営できるカフェや移動販売は、初期費用を比較的抑えられる事例が多く、300万円前後の資金でスタートした例も見られます。
キッチンカーを活用すれば家賃などの固定費を抑えながら、イベント出店や複数エリアへの展開にもつなげやすいでしょう。
自分の料理やおもてなしのアイデアを形にしたい人にとって、飲食店経営は挑戦しやすい起業スタイルです。
健康志向の高まりとともに、パーソナルトレーニングジムは市場拡大が続いています。
帝国データバンクの調査によると国内フィットネス市場は年々成長しており、特に女性トレーナーによる女性専用ジムの需要が増えているようです。
出典:帝国データバンク「「フィットネスクラブ・スポーツジム」業界動向調査 (2024年度)」
マンションの一室や自宅の一角を改装して始める小規模ジムなら初期投資を抑えつつ、月会費や回数券で安定した収益が見込めます。
トレーナー資格(NSCAやJATIなど)や管理栄養士資格を持つと、顧客からの信頼性が高まり差別化につながるでしょう。
デジタル化が進む現在、Web制作・ライティング分野はフリーランス女性起業家に多い職種です。
総務省のICT白書によると、企業のWebサイトやEC運営の需要は増加し続けており、リモートで完結できるため子育て世代でも参入しやすいのがメリットです。
初期費用はパソコンとソフトウェア程度で、クラウドソーシングやSNSを活用すれば案件の獲得もしやすいでしょう。
スキルアップ次第で月収50万円以上を狙うことも可能で、ライターからディレクターやコンサルタントへと業務領域を広げる事例も増えています。

起業を始めるときに最初に決めることは、「会社をつくる(法人設立)」か「個人で開業する(個人事業主)」かという事業の形態です。
会社をつくる方法は株式会社や合同会社などを立ち上げて事業を行うもので、社会的な信用を得やすく節税にもつながります。しかし、設立費用がかかり、毎年の決算や税金の手続きも多くなるでしょう。
一方で、個人事業主は税務署に開業届を出せばすぐに始められるので、少ない資金で小さくスタートしたい方に向いています。
ただし、ゼロから一人で起業するのは、資金調達・顧客獲得・販路開拓など多方面の知識と時間が必要で、家庭や育児と両立したい女性にとっては大きな負担です。
そのため、専門家のサポートを受けながら起業できる仕組みを活用するのがおすすめです。
ここでは、女性起業家に人気の高い3つの起業スタイルを紹介します。
フランチャイズは、すでに実績のあるブランドや仕入れの仕組みを借りてお店を開く方法です。
カフェや学習塾、介護サービス、美容サロンなど女性に人気の業種が多く、始めから集客や仕入れを本部がサポートしてくれるのが大きな魅力です。
本部が物件探しや研修、広告まで手伝ってくれる例も多く、未経験でも取り組みやすい方法です。
ただし、加盟金や毎月のロイヤリティ(使用料)が必要になるので、契約内容をよく確認しましょう。
最近は副業が認められる職場が増え、テレワークも広がったことで、本業を続けながら週末や夜だけ小さなビジネスを始める女性が増えています。
ネットショップやオンライン講師、ハンドメイド販売、Webライティングなど、少ない費用で自宅でできる仕事が人気です。
副業として始めて収入が安定してから会社を設立するなど、段階的に独立できるのでリスクを抑えやすくなります。
代理店ビジネスは、ほかの会社の商品やサービスを自分のブランドではなく、販売代理として売る仕組みとなっています。
ITサービスや保険、通信、教育教材など契約後すぐ販売できる分野が多く、在庫を抱えなくて済むのが大きなメリットです。
メーカーや本部が営業資料や研修、顧客管理システムを提供してくれることが多いため、営業や宣伝の経験が少ない人でも始めやすいでしょう。
成果に応じて報酬が増える契約であれば、働ける時間に合わせて収入を増やすことも可能です。

女性が起業して成功するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
どんな事業であっても、ビジネスを始めれば初期費用や月々の固定費がかかります。
あまりにも費用をかけすぎると、思うように利益を得ることができず、投資した資金をなかなか回収することができません。
特に、脱毛サロンなどはマシンの導入に莫大な費用がかかる場合もあるため、開業後に採算がとれるのかはしっかりと検討する必要があるでしょう。
女性の起業は、これまでの社会人としての経験を生かすのはもちろん、趣味や習い事、育児の経験がビジネスに活かせる場合もあります。
また、ビジネスで培った人脈はもちろん、ママ友ネットワークが活かせることもあるのです。
日常生活のちょっとしたことがきっかけでビジネスが広がる可能性もあります。
まずは自分自身を振り返り、自分の周りを見渡して、強みを活かすことを考えてみましょう。
自分が心から良いと思える商品やサービスは、自然と人にすすめたくなりますよね。
女性起業家のビジネスは、口コミで広がることも多いです。
気になる商品やサービスは積極的に試してみて、ビジネスのヒントを探してみてください。
いきなり広い店舗物件を借りたり、高額の費用がかかる機械を何台も導入してビジネスを始めることはおすすめしません。
起業して成功するためには、スモールビジネスから始めて、徐々に事業を拡大することを検討していきましょう。
自治体によっては、女性起業家を支援するための助成金や補助金を活用できる場合があります。
また、日本政策金融公庫には、女性起業家向けの融資制度も用意されています。
起業を決めたら、まずはどんな制度があるか調べてみると良いでしょう。
起業は必ずしも1人で始めなければならないわけではありません。特に近年、女性起業家を支援するサポート制度も整っています。
起業について知識がなく不安という方や、成功者の声を聞きたいという方は、女性起業家を集めたセミナーや交流会に参加してパートナーを探したり、手厚いサポートを受けられるフランチャイズ起業を検討してみるのもおすすめです。
フランチャイズや看板貸しを活用した起業であれば、すでに成功している経営ノウハウを学べるため、未経験でも安心して起業できるでしょう。

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現役オーナー様の声は、こちらからご確認いただけます。
男性より数が少ないとはいえ、女性起業家は年々増えてきています。
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